カタールワールドカップでサーバー負荷分散を考えてみた
こんにちは。株式会社アプロ総研代表取締役の李重雄です。
このコラムを書いてるのは2022年11月24日です。
FIFAワールドカップカタール2022で日本がドイツに歴史的な勝利をした翌日です。
その前日もサウジアラビアがアルゼンチンに歴史的な勝利をしました。
ワールドカップが始まってまだ数日です。色々と批判もあるカタールワールドカップですが、試合内容はとても面白いです。
今日の22時から韓国戦があります。ウルグアイ戦に勝利する事を信じて、応援しています。
カタールワールドカップはAbemaTVが全試合放送権を取得しました。
昨日の日本戦をEC運営サポート業の李重雄が分析したいと思います。
一番凄いのは、サーバーダウンしなかった事です。
アルゼンチンVSサウジアラビア戦がAbemaTV史上一番多くの視聴者数だったらしいです。その翌日にあった日本戦は、前日の視聴者数を大幅に超える人数でした。
日本戦が勝利した時間の12時頃には1000万以上のアクセスがありました。アクセス数はコメント機能を見る時に出てきた視聴者数です。
LIVE動画に1000万の同時アクセスがあっても落ちないって凄い事です。
李重雄がサラリーマン時代に担当した百貨店のシステム案件があります。その時は自社サーバーで同じ動画を100人が同時アクセスするとサーバーダウンしていました。たった100人でサーバーがダウンするんですよ。
それがほんの数十年で1000万同時アクセスでも落ちない仕組みが出来ています。IT技術の進化を肌で感じた瞬間でもあります。
もちろんIT技術も素晴らしいですが、実現したAbemaTVチームも努力も半端なかったと思います。
このままカタールワールドカップ期間中にサーバーが落ちない事を信じています。
ECサイトの場合はどうでしょうか。
同時に1000万人が購入するとECサーバーは落ちないでしょうか!?
※同時に1000万人が購入したらとんでもない事件ですよね(笑)
今回のAbemaTVはLIVE配信でしたので、動画はサーバー負荷がとてもかかります。ECはサーバー負荷はかかる事はありません。
って事でECサイトのサーバーは問題ないと思われがちです。
多分いや間違いなくECサイトの場合は1000万人が同時購入するとサーバーダウンします。多分アクセス数が1/10の100万人が同時購入してもサーバーダウンすると思います。
あ!正確にはサーバーダウンでなく、購入出来ない状態になります。サーバーがダウンする事は滅多にありません。
ECサイトは動画のLIVE配信よりサーバー負荷は軽いはずです。それでも購入が出来ない状態になります。
その理由はクレジット連携など、他社システムと連携しているからです。
AbemaTVのように1社で全てを完結できる状態の場合は、対応する事は出来ます。
ECサイトの場合は、クレジット連携、顧客連携、在庫連携など色々なシステムと連携しているので通信連携がとても多いです。
その部分が対応できないと想定します。
ある案件では、サイトへのアクセス対策は問題なかったがクレジット連携でアウトだった事例があります。
その為にECサイトではまだ同時購入が1分とすると10万件も厳しいと思います。
でも1分で10万件って凄いですよ。1時間で600万件にもなります。
客単価が5000円だとすると、1時間で300億の売上になります。
一度はやってみたいですね。
全国旅行支援キャンペーンがはじまった時は、各旅行サイトで購入できない状態でした。李重雄も当日トライして、無事購入できました。全国旅行支援キャンペーンで申し込んだ事を忘れて、ホテルにチェックインしました。スタッフさんから配って頂いたクーポンはとても嬉しいです。毎回美味しい食事に利用させてもらっています。
全国旅行支援キャンペーンは突然だったので、仕方ない部分があります。定期的に行うイベントだとすると、コンサート、ワールドカップなどのイベント申込や、冬のバーゲンセールなどがあります。その時もサーバーが不安定になります。
実は、サーバーを不安定にさせているのはわざとの場合もあります。不安定にさせず購入させてほしい気持ちはわかります。ちょっといじわるだと思っちゃいますよね。
でも、いじわるじゃないんです。サーバーを落とさない為にやっているのです。
サーバーが落ちると全て通信できなくなります。そうなった場合は復旧までの時間を考えると大損害になる可能性があります。
大きな障害を起こさない為にわざと不安定にさせていると言う訳です。それでも利用者からすると不便に感じる事は間違いありません。
日々、EC業界も進化しています。スムーズに購入できる環境は近づいています。
時間差攻撃
AbemaTVが1000万アクセスが集中しても落ちなかったのは、色々な技術があります。
その一つが時間差です。
サーバールームをイメージしてください。何か沢山サーバーが並んでいますよね。
日本のサーバーは世界一です。数年前に有名になった「京」があります。「京」が世界一だと思っていたら違いました。なんと神戸に世界一のサーバーがあります。
理化学研究所と富士通が共同開発したスーパーコンピューター「富岳(ふがく)」(神戸市)がスパコンの計算性能を競う4つの世界ランキングで1位になったと発表していました。それも3年連続らしいです。関西から世界1があるって嬉しいですね。
またいつもの話が脱線しちゃいました。李重雄の得意技なので、お許しください。
AbemaTVもサーバーを沢山配置しています。そこでアクセスがあった人で見せるサーバーは負荷分散させています。上手に負荷分散させる事で、全員がスムーズに見る事ができました。
しかし、時間差があります。数秒から数十秒の違いがあります。
昨日の日本戦ですが、李重雄は自宅で見たのですが4つの端末で日本戦を見ました。
Fire TVがついてるテレビ、李重雄のスマホ、妻のスマホ、自宅のノートPCです。
4つの端末で見たのですが、最大で5秒程度のずれがありました。これは遅れてる訳ではありません。わざと時差を作る事でサーバー負荷を分散させている手法です。
今回の日本戦は地上波でも放送されていました。地上波とAbemaTVでは30秒程度ずれていたと思います。
30秒は時間差としては、大きいですよね。陸上の100Mだと3回走れます。まぁ李重雄が走った場合は30秒以上かかるので気になりませんが。
30秒のずれは大きいですが、気にしないでください。それが上手な付き合い方です。
まとめ
AbemaTVのカタールワールドカップからサーバー負荷分散の凄さを説明させてもらいました。専門用語はほとんど使わない説明でした。と言うか専門用語は李重雄もよくわかっていません。
これからも李重雄に解説して欲しい事があれば、ドシドシと意見をください。
日本戦、サウジアラビア戦で感じた事
信じて挑戦する事の大事さです。まだワールドカップが開催されて4日目ですが、ジャイアントキリングが2回も起きています。両チームとも100回やって1回勝てるくらいだと思います。その1回を今回達成しました。
絶対に勝つという、強い気持ちを持っていたと思います。また勝つための戦術に色々と挑戦しました。選手交代、セットプレーなどしっかり準備してきた結果です。
我々のビジネスでも同じです。勝つためにしっかり挑戦していく事が大事ですね。
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