ECサイトの出荷業務を効率化するポイント
こんにちは、受注担当です。
今回はECサイトの出荷業務についてお話していきたいと思います。
商品に関して自信をもってお客様に満足いただける商品なのに、出荷業務でのミスで顧客満足度を下げてしまっている。
こんなお悩みはありませんか?
・ECサイトをこれから立ち上げるが出荷作業のコストの不安
・ECサイトを立ち上げたものの在庫管理不備によって出荷ミスを起こしている
・人為的ミスが多すぎて配送ミス・顧客満足度を下げてしまっている
・出荷ミスやクレーム、返品対応などで作業時間が取られすぎている
当コラムでは、新しくECサイトを開業する方はもちろん、
既に開業している方にもEC出荷で失敗しないための方法をご紹介させていただきます。
自動化ツールについてとその選び方
現在、出荷業務の自動化が求められる理由は主に以下の要素に起因しています。まず、EC市場の急成長により、オンラインショッピングの注文数が爆発的に増加しています。これにより、従来の手作業では処理しきれない大量の注文に対応する必要が生じています。自動化は、高速かつ正確に大量の注文を処理できるため、この課題を解決します。
次に、労働市場の変化も影響しています。人手不足や労働コストの上昇が進んでおり、従業員の確保や人件費の管理が難しくなっています。自動化により、効率的な業務運営が可能となり、コスト削減や労働力の補填が実現できます。
さらに、顧客の期待が高まる中で、迅速かつ正確な配送が求められています。自動化は、ミスを減らし、配送速度を向上させることで、顧客満足度の向上に寄与します。このような背景から、出荷業務の自動化は今、非常に重要な課題となっています。
それでは、自動化ツールの選び方について以下ご説明させていただきます。
1. 自社の課題を明確にする
まず、自社の出荷業務で何が課題かをはっきりさせましょう。例えば、「ピッキング作業に時間がかかる」「梱包ミスが多い」など、改善したい点をリストアップします。これを基に、自動化ツールがその課題を解決できるかを確認します。
2. ツールの柔軟性と成長性
ツールが自社の今の業務量に対応できるかだけでなく、将来的にビジネスが拡大した時に対応できるかも考慮しましょう。業務が増えた時に、簡単に拡張や追加ができるツールが理想的です。
3. 他のシステムとの連携が可能か
すでに使っているシステム(例えば在庫管理システムや会計ソフト)と自動化ツールがスムーズに連携できるか確認します。連携がうまくいけば、データ入力の手間が省け、業務がさらに効率化されます。
4. 使いやすさ
現場のスタッフが無理なく使える操作性があるかどうかも重要です。導入後、すぐに使いこなせるよう、シンプルで分かりやすいツールを選びましょう。複雑すぎるツールだと、逆に効率が落ちてしまうこともあります。
5. コストと効果を考える
導入費用や運用コストをチェックし、その費用に見合った効果が得られるかどうかを考えます。長期的に見て、ツールがどれだけコスト削減や効率化に貢献するかが判断のポイントです。
6. サポート体制
何か問題が起きた時に、ベンダー(ツール提供会社)のサポートがどれくらい充実しているかを確認します。迅速なサポートがあれば、トラブルがあっても安心です。
7. セキュリティ対策
顧客情報や出荷データを安全に管理できるツールかどうかも重要です。セキュリティ対策がしっかりしているツールを選び、安心して使えることを確認しましょう。
これらのポイントを押さえて、自社に最適な自動化ツールを選び、出荷業務の効率化、ミスの減少、そしてなにより顧客満足度の向上を目指しましょう。
梱包の基本ルールと効率的な作業手順
梱包の基本ルール
①適切な箱選び
商品に対して適切なサイズの箱を選びましょう。箱が大きすぎると中で商品が動いてしまい、破損のリスクが高まります。逆に小さすぎると、箱が破れる可能性があります。
- 段ボール
- 宅配袋
- クッション付き封筒
- 封筒
- ボックスケース 等
商品に合ったサイズと強度の段ボールやクッション材を使い、破損を防ぎます。
②緩衝材の使用
次に、外箱に詰める緩衝材を選びます。
商品が動かないようにクッション材を使い、衝撃から守ります。特に壊れやすい商品にはしっかりと保護を施します。
緩衝材には、次のような種類があります。
- 気泡緩衝材:定番のプチプチ。低コスト・柔軟性が高い・長期保管が難しい
- エアー緩衝材:空気を入れたビニール製の緩衝材・耐久性が高く固定しやすい
- バラ緩衝材:まゆのような形状の緩衝材・隙間を埋めやすい・重い荷物には不向き
- 緩衝シート:発泡ポリエチレン製のシート・薄い割れ物向き・単価が高い
- 紙緩衝材:紙製の緩衝材・低コスト・保管の場所を取らない・湿気に弱い
商品が箱の中で動かないように、緩衝材(プチプチ、エアークッション、紙など)を適切に使用します。壊れやすい商品には特に多めに入れ、商品全体を包むようにします。
③均等な重量配分
箱の中で重量が偏らないように、均等に配置します。重い物は底に、軽い物は上に配置するのが基本です。
④封かんの強度
テープ選びのポイント
- ガムテープ: 厚手で強度が高く、重さのある商品や重量物の梱包に適しています。特に段ボールにしっかりと貼り付くので、重い商品を梱包する際には信頼性があります。
- OPPテープ: 透明で見た目がきれいなため、軽量の商品や外観が重視される場合に使用します。ただし、ガムテープよりも強度が劣ることがあるため、補強が必要な場合があります。
基本的なテープの貼り方
- H字貼り: 箱の開口部をしっかりと封じるために、箱の中央部分に縦方向に1本、両端に横方向に2本のテープを貼り、H字型にします。これにより、箱が開いてしまうリスクを減らせます。
- 十字貼り: 箱の縦・横両方向にテープを貼り、十字を作る方法です。特に重量物や箱が変形しやすい場合に効果的です。
重い商品を梱包する際、箱の底面が抜けないように補強する必要があります。箱の底部に追加でガムテープを貼り、H字や十字にして補強します。特に、重量がある場合は、底全体を覆うようにテープを貼るとさらに安全です。
また、箱の角は衝撃を受けやすいため、テープを用いて角を補強します。ガムテープを使って角にしっかりと巻きつけるようにすると、箱の耐久性が高まります。
効率的な作業手順
- 作業スペースの確保: 梱包作業を行うスペースを十分に確保します。必要な道具(テープ、はさみ、緩衝材など)が手の届く範囲にあると作業がスムーズです。
- アイテムの準備: 梱包する商品をあらかじめ整理しておきます。同じ種類のアイテムをまとめて梱包すると、効率が上がります。
- 段取りの確立: まず箱を組み立て、次に商品の梱包、そして緩衝材の追加、最後に封かんという順序を守ります。複数の商品がある場合、一度にまとめて行うと効率が良いです。
- 作業の繰り返しを減らす: 同じ作業を繰り返さないように、可能な限り一度で作業を完了させます。例えば、箱を一度に複数組み立てておき、次々に商品を梱包していく方法が効果的です。
- チームでの作業分担: 大量に梱包が必要な場合、チームで作業を分担します。例えば、一人が箱を組み立て、別の人が商品を梱包し、さらに別の人が封かんを行うという形で流れ作業をすると効率が向上します。
「どの工程のどの作業に時間がかかっているのか」「どの作業でミスが多発しているのか」など、課題とその原因を把握した上で、それを一つずつ改善していけば、梱包作業全体の効率化を実現できます。担当者の負担軽減はもちろん、コスト削減にもつながります。
出荷業務で発生しがちなトラブルとその解決法
次に出荷業務に置いてのよくあるトラブルについてご紹介いたします。またトラブルが起きた時の解決方法についても併せてご覧ください。
トラブル①配送先情報の誤り
配送先の住所が間違っている、住所が不完全である、または受取人の名前が誤っている場合、商品が正しく届けられず、返送や再配送が必要になってしまった
解決方法
- 情報確認の徹底: 出荷前に、顧客の配送先情報を再確認します。特に、手入力のデータの場合はダブルチェックを行います。
- 自動検証システムの導入: 住所や郵便番号を自動で検証するシステムを導入することで、入力ミスを防ぎます。
- 顧客に確認を求める: 重要な情報については、注文確認メールや画面で顧客自身に再確認を求めると、ミスが減ります。
トラブル②梱包不良による商品の破損
梱包が不十分だったり、適切でなかったりすると、輸送中に商品が破損してしまった
解決方法
- 適切な梱包材の使用: 商品に合った緩衝材を使用し、商品が箱の中で動かないようにします。特に割れ物や精密機器には注意が必要です。
- 梱包ガイドラインの設定: 社内で梱包方法の標準ガイドラインを作成し、全員がそのルールに従って作業を行うようにします。
- 梱包技術の教育: 新入社員やアルバイトに対して、梱包の基本やポイントを教育します。定期的に研修を行うことで、スキルの向上を図ります。
トラブル③出荷遅延
出荷作業が予定より遅れてしまい顧客への配送が遅れ、不満やクレームにつながった
解決方法
- 作業効率の改善: 出荷業務のプロセスを見直し、無駄な動きを減らすことで作業を効率化します。例えば、ピッキングリストの最適化や、作業の流れを改善します。
- スタッフの適切な配置: 忙しい時期や大量注文が予想される際には、あらかじめ人員を増やし、対応できるようにします。
- 予測と準備: 需要のピークを予測し、事前に在庫を確保したり、出荷体制を整えておくことで、スムーズな出荷が可能になります。
トラブル④出荷ミス(誤配送)
顧客が注文した商品とは異なる商品を発送してしまった
解決方法
- 出荷前のダブルチェック: 出荷作業中に、ピッキングリストや出荷指示書と照合し、商品が正しいかを確認するダブルチェックを徹底します。
- バーコード管理の導入: 商品にバーコードを貼り、ピッキングや梱包時にスキャンすることで、間違った商品が出荷されるのを防ぎます。
- 自動化システムの活用: ピッキングや梱包作業の自動化を進めることで、人為的ミスを減らし、出荷ミスを防ぎます。
トラブル⑤在庫不足による出荷遅延
注文が集中したり、在庫管理が不十分のため、在庫不足で出荷が遅れた
解決方法
- 在庫管理システムの導入: リアルタイムで在庫を管理できるシステムを導入し、在庫状況を常に把握します。
- 在庫予測の精度向上: 過去の販売データを分析し、需要予測を行うことで、適切な在庫を確保します。
- 早期発注体制の整備: 在庫が少なくなった時点で、早めに発注をかける体制を整えることで、在庫不足を防ぎます。
これらのトラブルを未然に防ぐためには、日々の業務改善と徹底したチェック体制が重要です。また、トラブルが発生した場合には、迅速かつ適切な対応を行い、顧客満足度を維持することが大切です。
出荷後のフォローアップで顧客満足度を高める
最後に出荷後のフォローアップは、顧客満足度を高めるために非常に重要なステップです。ここでは、効果的なフォローアップの方法とそのポイントを紹介します。
1. 配送状況の通知
顧客が注文後に安心できるよう、配送状況をリアルタイムで知らせることが重要です。
- 発送通知メール: 商品を発送した際に、配送会社と追跡番号を記載した通知メールを送信します。これにより、顧客は商品がいつ届くかを把握でき、安心感が生まれます。
- 追跡リンクの提供: メール内に追跡リンクを設置し、簡単に配送状況を確認できるようにします。また、専用のマイページで注文履歴や配送状況を確認できると便利です。
- SMSやアプリ通知: メールに加え、SMSや専用アプリでの通知も有効です。配送が遅れる場合や配達完了時に通知を送ることで、顧客は最新の状況を把握できます。
2. 顧客への到着確認
商品が無事に届いたかを確認することで、顧客に安心感を与えるとともに、問題があった場合には早期対応が可能になります。
- 到着確認メール: 商品が配達された後、到着確認のメールを送信します。このメールには、商品が無事に届いたか、問題がないかを確認するための簡単なアンケートを含めると良いでしょう。
- 自動化された確認システム: 配送業者と連携し、配達完了時に自動的に確認メールを送信する仕組みを導入すると、作業負担が軽減されます。
3. フォローアップアンケート
商品やサービスに対する顧客のフィードバックを収集することで、今後の改善につなげることができます。
- 簡単なアンケートの実施: 商品到着後、顧客に満足度調査や商品レビューの依頼メールを送ります。回答が簡単にできる形式(例えば、5段階評価や選択式)にすることで、回答率が向上します。
- インセンティブの提供: アンケートに回答してもらうために、クーポンやポイントの付与といったインセンティブを提供するのも効果的です。
4. 問題発生時の迅速対応
商品に問題があった場合、迅速かつ適切に対応することで、顧客の信頼を維持できます。
- カスタマーサポートの整備: 問題が発生した際に、すぐに対応できるカスタマーサポート体制を整えます。電話、メール、チャットなど、多様な連絡手段を提供すると良いでしょう。
- 返金・返品ポリシーの明確化: 返品や返金の手続きがスムーズに行えるよう、明確で簡単なポリシーを設定し、顧客に周知します。顧客が安心して購入できる環境を作ることが重要です。
5. アフターサービスの提供
商品購入後も継続的にサポートを提供することで、顧客との関係を強化し、リピート購入を促進します。
- 使い方ガイドの提供: 特に高価な商品や技術的な製品の場合、使い方ガイドや動画チュートリアルを提供することで、顧客が商品を十分に活用できるよう支援します。
- 定期的なフォローアップ: 商品購入後、一定期間が経過した時点で、再度フォローアップメールを送ると良いです。商品の使用感や追加のサポートが必要かどうかを確認します。
6. パーソナライズされた体験
顧客の過去の購入履歴や行動に基づいて、パーソナライズされた提案やサポートを提供することで、特別感を演出し、満足度を高めます。
- 個別の提案: 顧客の購入履歴に基づき、関連商品やサービスの提案を行うメールを送ります。例えば、消耗品の再注文や、関連アクセサリーの案内などです。
- カスタマイズされたメッセージ: 顧客の名前や過去の注文履歴を元に、カスタマイズされたメッセージを送ることで、顧客との親密な関係を構築します。
これらのフォローアップを通じて、顧客に安心感と信頼感を提供することができ、顧客満足度を向上させるとともに、リピート購入や口コミによる新規顧客の獲得につなげることができます。お客様の不安を取り除くだけではなく、信頼関係も生まれます。一番大事な工程と言っても過言ではないでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
正直なところミスはつきものです。
人為的ミスをを最小限に抑え、適切なスタッフ配置と教育で作業ミスを防止します。
またミスを起こしてしまった際にどういう対応をするのか、そこで下がってしまった顧客満足度も対応次第ではさらに上げるチャンスがあります。
これらのことを踏まえて業務効率と顧客満足度アップを目指していきましょう。
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